特集 平成28年熊本地震その後 熊本城編

2016.06.18作成

 
  前回の阿蘇編に続き、今回は5月15日に行った熊本城の現況についてレポートします。
 
  今回の地震では熊本城も甚大な被害を受けました。報道の映像などで見るその姿に愕然としたものですが、実際に見て歩いてそ
 の広範囲にわたる被害に地震の恐ろしさを改めて感じ、復旧には10年以上はかかるといわれるのも無理はないか…と思わせる無
 残な姿に、ただただ呆然とするばかりでした。
 
  ちょうどいい城内案内マップがありましたので、写真と対する位置に番号を打ちました。写真とマップを対比させながら見て頂くと、
 位置関係がわかりやすいかと思います(ずいぶん縦長のページのため見辛くはありますが…)。
 
 

 二の丸広場から見た大小天守閣と宇土櫓。
 @から見たところ。
 
 西大手門から戌亥櫓へ続く塀も倒れている。
 なんとも痛々しい大天守のアップ画像。
 最上階の瓦は鯱も含め、ほとんど落下してしまって
 いる。
 大天守に比べるとさほど被害がないように見える
 小天守だが…。
 今回の地震では、現存する櫓のほとんどが倒壊す
 るなど大きな被害を受けた。
 
 そんな中で、この宇土櫓は一見するとさほどの被
 害は無いように見えるが、それでも一層目の壁に
 は剥がれ落ちた跡が見える。
 Aの位置から撮影。
 西大手門から戌亥櫓へ続く塀は倒れ、石垣も崩落
 していた。
 大天守ほどの被害はなさそうだった小天守だが、
 一層目の足元(石垣に乗る部分)をよく見るとこん
 な風にズレ?が出来ていた。
 Bの位置から見た戌亥櫓。
 この櫓もニュースでよく見る飯田丸五階櫓のように
 石垣が崩落し、角が一本足になっていた。
 城内は石垣の崩落などでほとんどが通行止め、立
 ち入り禁止状態で、二の丸駐車場から城彩苑まで
 は歩道が確保してあった。
 Cの位置から撮影。
 Dの位置から見た未申櫓。
 建物は無事そうだが…
 奥の元太鼓櫓に続く塀は石垣ごと崩落していた。
 未申櫓もよく見ると石垣が浮いているように見える。
 Eの位置から行幸坂を見る。
 奉行丸の石垣が崩れ落ちていた。
 上のマップでは桜の馬場駐車場となっているが九
 州新幹線全線開業を前に2011年3月にオープンし
 た城彩苑。
 マップF。
 比較的早い時間だったので人出が少ないのか、地
 震後はこんなものなのか…
 マップG。
 石垣が崩落した馬具櫓。
 白壁にもひび割れが見える。
 Hの位置から撮影。
 Iの位置から見た飯田丸五階櫓。
 よくTVなどで見る石垣が崩落し、四隅の一角はか
 ろうじて一本だけで支えていて、今にも崩れそうな
 あの櫓だ。
 その石垣部分は御覧のように手前の木々のおかげ
 で見えなかった。
 少し場所を変えてみても…
 崩れた石垣をとらえることはできなかった。
 西南戦争でも焼けず、重要文化財に指定されてい
 る長塀も倒壊していた。
 Jから撮影。
 熊本大神宮の社務所の上に崩れ落ちた東十八間
 櫓と石垣。
 手前の茶色い屋根は大神宮の社務所で、奥の瓦
 屋根が東十八間櫓のものと思われる。
 
 Kの位置から撮影。
 不開門の脇だから北十八間櫓と五間櫓だと思われ
 る。今回の地震では不開門も倒壊したそうだ。
 
 Lから撮影。
 棒庵坂のちょっと下から大小天守が見えたので…。
 
 Mの位置から撮影。
 帰り道、熊本信用金庫の外壁に大きなくまモンを
 発見。
 普段通らない道だから知らなかった。3年ほど前
 はあったっけ…。
 Nから撮影。
 Oの位置から通り町筋を見る。
 
 奥の市電が停まっているところの左手が上通で右
 手が下通からサンロード新市街へと続く熊本一の
 アーケード街となる。
 Pの位置にある加藤清正公像。
 トレードマークの長烏帽子兜姿で采配を振っている。
 後方は馬具櫓と飯田丸五階櫓。
 城彩苑まで戻ってきたらイベント広場「親水空間」で
 おもてなし武将隊のショーが行われていた。
 中央の槍を持った武将が加藤清正役。
 九州の主だった武将がそろっていた。
 城彩苑の物販施設の建物にも応急危険度判定の
 ステッカーが…
 二の丸駐車場の売店。
 駐車場にはそこそこ車は入っているんだけど、売店
 はまだ営業していなかった。
 マップQ。
 Rから見た頬当御門へと続く道。
 元太鼓櫓と西大手門の石垣が崩落しているようで、
 立ち入り禁止になっていた。
 後日、新聞で熊本城前の「城見櫓」という日本料理
 店が地震の影響で営業休止中のなか、6階の特別
 室を展望茶室として無料開放しているという記事を
 読んだのでネットで確認して6月11日、阿蘇へ水汲
 みに行った帰りに立ち寄った。
 
 展望茶室から見た飯田丸五階櫓。
 「奇跡の一本石垣」が垣間見え、建物のたわみ具合
 もよくわかる。
 
 マップではSの位置からになる。
 
 同じく展望茶室から見た天守閣。
 この位置からだと小天守は大天守に隠れて見えな
 い。
 右の建物は本丸御殿。お店の方の話だと本丸御殿
 の内部にも被害が及んでいるらしい。
 展望茶室のベランダから見た熊本城。
 飯田丸五階櫓と天守閣の間に見える建物は数寄屋
 丸二階御広間だと思う。
 
 展望茶室では冷たいお茶をサービスして頂いた。
 城見櫓のスタッフの皆さん、ありがとうございました。
 
 「城見櫓」さんのHPはこちら
 http://www.shiromiyagura.com/
 
 
 
  ここ10年ばかりの間に、飯田丸五階櫓や本丸御殿が復元され、おもてなし武将隊の活躍や城彩苑のオープンなどで私の若い頃とは
 比べ様もないほど人気観光地となっていた熊本城。 その熊本城を襲った連夜の巨大地震はその賑わいを奪い去っていきました。
 
  しかし、城内のほとんどが立ち入り禁止とはいえ、城彩苑ではおもてなし武将隊などのイベントも復活し、少しづつでも賑わいを取り戻
 そうと動き始めています。
  今のこの姿の熊本城を見れるのも今だけしかない、と考えて観光客の皆さんが来てくださることこそ、復興の足掛かりになるものだと
 思います。
 
  10年かかろうと、20年、30年かかろうといつかは完全に元の熊本城にもどる日が来る。そう信じて歩みを進めるばかりです。
 

 
熊本地震 トップへ
Indexへ