2018.8.05作成
「平成28年熊本地震 その後 熊本城編」にも書きましたように甚大な被害を受けた熊本城ですが、 地震から2年以上の月日が経ち、天守閣主体ではありますが、復旧工事が進んでいます。 完全な復旧には20年の歳月が掛かる…とも言われていますが、重要文化財の石垣の積み直しなど 以前と変わらぬ様に復旧しなければならない事を思うと、それだけの年月は必要かな…とも思います。 以下に この2年余りの間に度々見に行った 熊本城の復旧工事の様子を写真でご紹介いたします。 |
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二の丸公園から見た被災前と被災後の熊本城。 西大手門から続く塀は倒れ、宇土櫓の続櫓も倒壊している。 |
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加藤神社前から写真での被災前後の比較。 宇土櫓本体は外見上あまり変わりないが、続櫓は倒壊してしまっている。 (宇土櫓本体も内部はかなりの修理が必要だそうだ。) |
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二の丸広場からの熊本城。 この1年の間、見た感じではほとんど変わっていない。 |
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震災から1年後、まずは大天守の復旧が始まった。 |
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6/18の写真をよく見ると大天守最上階の屋根も解体されているように見える。 10/06にはそれも復元され、さらには小天守にも足場が組まれ、瓦が鯱も含め、降ろされている。 |
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今年に入るとこんな衝撃的な姿が… 大小天守の石垣が解体され、小天守は宙に浮いているように見える。 さらに大天守の屋根もきれいに復元され、鯱も戻ってきた。 |
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加藤神社境内からの撮影。 城内に入れない現在、天守閣を一番近くから見ることができる場所だ。 4/29の写真を見ると足場は天守閣自体から外へ鋼材を出して組んでいるのがわかる。 |
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10/06の写真ではもうほとんどが足場に覆われて見えなくなっているが、 この時にはすでに石垣の解体が始まっていたんだと思う。 |
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石垣が撤去されて宙に浮いた感じの天守。 これを見ると鉄筋コンクリートの再建天守というのがよくわかる。 先日の報道では石垣の積み直しも始まったというから、こういう姿が見られるのも今のうちだけ…かも。 |
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熊本市役所の14階展望ロビーからの眺め。 天守の手前の本丸御殿にも白壁の亀裂が見える。 |
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今年の6月には大天守の鯱がきれいに復元されていた。 |
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上のアップ写真。 去年の4月の時点では瓦の間から野草(?)が生えていて、痛々しい。 |
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奇跡の一本石垣で話題になった飯田丸五階櫓。 |
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飯田丸五階櫓を市役所の展望ロビーから見る。 コの字型の支柱で建物を支えて一本石垣を解体後、下からの土台を構築したものと思われる。 |
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10月には手前の樹木の葉が落ち、崩れた部分の石垣が撤去されているのが見えた。 今年の6月時点では五階櫓そのものが解体されていた。 |
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二の丸広場北側から見た戌亥櫓。 ここも「一本石垣」だが、飯田丸五階櫓のような工事が入った様子はなく、 2年以上たった今でもこの状態で踏ん張っている。 |
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左…熊本城の正門である西大手門。 右…元太鼓櫓。 この元太鼓櫓も先日の大雨で崩れ落ちたそうだ。 |
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馬具櫓とそれに続く長塀。 長塀は国の重要文化財に指定されており、お城の塀としては242mという国内一の長さを誇っていたが、 今回の地震で一部が倒壊し、現在はすべて撤去されている。 この桜並木の石垣の上に白黒のコントラストの美しい長塀があった。 |
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崩れ落ちた石垣の仮置き場。 熊本城の石垣は国指定の文化財のため、修復する際、元のように積まねばならないので、 こうして符号をつけてひとつひとつ管理してある。 |
私が若いころ、熊本城でも観光写真の仕事をしていたことは、もう何度も言いましたが、 そのころに比べ、城内の本丸御殿をはじめとした櫓類の復元や、おもてなし武将隊の活躍などで、 随分賑わいを増していた矢先の震災で、しばらくの間はずいぶん観光客の数も減っていたようです。 しかし、このような姿の熊本城を見れるのも今のうち、という気持ちが皆に伝わったのか、 最近の土日祭日では、二の丸の駐車場が満車状態で入れない…ということも度々あるようです。 色々調べたところでは大天守の外観復元の完了が来年の秋、内部の工事も完了し、一般公開されるのは、 それから3年後の2021年の春ということですが、これは「天守閣」に限ったことで、多数の櫓や石垣を含んだ 完全復旧が成るのは、およそ20年後の2037年度ということです。 とはいえ、お城のいちばんのシンボル、天守閣が目に見えて復旧しているのはうれしい限りで、今後、 観光で来られる方の数もますます増え、それがひいては熊本地震全体の復興の底力となっていけたら 素晴らしいんじゃないか…なんて思ったりしています。 皆さんも是非、今の熊本城に行ってみて下さい。 尚、地震前の熊本城については、「よかとこですバイ!! 天下の名城 熊本城編」で取り上げていますので、 そちらもどうぞご覧ください! |