2021.3.17作成

 
   南阿蘇村の立野地区では、平成28年熊本地震の本震で大規模な崖崩れが発生し、JR豊肥本線、
   国道57号線、国道325号線阿蘇大橋などで、壊滅的な被害を受けました。
 
   その後、長らく続いた不通時は、北側のミルクロードなどへ迂回しなければならず、また南阿蘇への
   県道28号線の不通(こちらはグリーンロードへ迂回)と相まって阿蘇への交通が不自由になりました。
 
   阿蘇への交通の復旧は、まず南阿蘇への県道28号線が、復旧に時間のかかる何本かの橋に迂回路
   を設け、俵山トンネル、南阿蘇トンネルの復旧がなった平成28年12月24日に開通しました。
   その後、橋梁部も段階的に復旧が進み、最終的に令和元年9月14日に完全復旧がなりました。
 
   国道57号立野地区はというと、平成29年8月27日に阿蘇長陽大橋が復旧し、南阿蘇、高森方面への
   アクセスはかなり良くなりましたが、県道149号を迂回する赤水方面へのルートは、道幅が狭い区間も
   あり、案内標示板などもなかったせいか、あまり利用者はいなかったようです。 その後、県道149号線
   の狭隘部の工事が進み、案内標示板も取り付けられて、段々と通行量も増えていきました。
 
   そのような状態で3年ほどの歳月が過ぎ、令和2年10月3日、ついに国道57号の立野地区全線開通が
   なりました。 同日には大津から赤水までのルートで新たに着工していた北側復旧ルートも全線開通し、
   熊本地震以来、阿蘇大橋以外の阿蘇へのルートが、JR豊肥本線(令和2年8月8日開通)を含めて全て
   復旧しました。
 
   最後に残った阿蘇大橋の架け替えは、元の橋の600mほど熊本寄りに建設工事がされていましたが、
   つい先日の3月7日、新阿蘇大橋として開通しました。
 
   これで平成28年4月16日未明に発生した熊本地震の本震による阿蘇立野地区の交通遮断の復旧は、
   南阿蘇鉄道の立野~中松間を残すのみとなります。
 
   以下に国道57号立野付近の復旧の模様を北側復旧ルートもあわせて写真でご紹介いたします。
 
 
立野地区のマップ。各橋の位置関係はこのようになる。
矢印のように斜面崩落が起き、JR豊肥本線、国道57号線、国道325号線阿蘇大橋を飲み込んだ。
 
 
北側復旧ルートのマップ。
大津、大津東、車帰、阿蘇西のインターチェンジがある。
大津東~車帰間のほとんどが二重峠トンネルだ。
 
 
大規模崩落を起こした斜面。
5/5の写真は免の石展望所から、9/3のものは県道149号河陽地区から撮影。
 
 
上の5/5の写真を部分拡大したもの。
国道57号と阿蘇大橋は右図の位置になる。
 
 
この4枚の写真は地震発生後ネットで拾ったもの。
今ではどこで拾ったか、わからなくなってしまったが、被害状況がよくわかる写真だったので、拝借させてもらった。
これらは全て阿蘇登山道赤水線入口から阿蘇大橋までの間の写真だ。
 
 
国道57号は大津町内でも被害が出ていて、ミルクロード入口交差点よりちょっと先からは1年以上通行止めだった。
上の写真は瀬田地区などの補修が済み(それでも片側2車線あったところは1車線での開通だったが…)、
阿蘇立野病院の先まで通行できるようになった時に撮ったもの。
左下の写真の赤い橋は南阿蘇橋。これを左方向へ進んだところに阿蘇大橋があった。
その右手の斜面工事をしてあるところからこちらへ向かって新阿蘇大橋が架かる事になる。
 
 
2017年の9月になると阿蘇長陽大橋ルートが復旧し、専用レーンが作られていた。
 
 
長陽大橋ルートで橋を渡っているところ。
正面の斜面で新阿蘇大橋の工事が始まっている。
 
 
1年半でここまで工事が進んだ。 それにしても高い橋脚だ。
 
 
この写真は東海大学阿蘇校舎を見学に行った時に325号線まで降りて撮ったもの。
ここは阿蘇大橋の東側の端だ。この草の向こうは崖で、崩れ落ちた大橋の橋桁が引っかかっている。
対岸には、ほぼ復旧工事が完了した57号線が開通を待っていた。
 
 
再び長陽大橋上からドライブレコーダーの画像を…
私の写真データ上では2017/7/2から2020/10/24まで3年半弱でこの全長525m、高さ97mの橋がつながった事になる。
(ちなみに前の阿蘇大橋は全長205.9m、高さ76mだった。)
 
 
開通した57号線を赤水から立野方向へ走ると展望所みたいなのがあったので寄ってみることに…。
 
 
展望駐車場に入るとちょうど豊肥本線をあそBOYが登ってきたのでパチリ。
ここは立野のスイッチバックを抜け、阿蘇方面へ進んだところになる。
駐車場にいた人たちがあそBOYに向かって手を振っていた。
 
駐車場から対岸を見ると阿蘇大橋の橋桁が引っ掛かったままになっているのが見れた。
 
 
今度は立野から赤水方向へ…
 
 
左写真…ここが新阿蘇大橋への交差点。この時点ではまだ開通していない。
右写真…後ろに取り付けたドライブレコーダーに映った新阿蘇大橋。
 
 
10/24に立ち寄った展望駐車場に再び寄ってみた。
ここに立つとこの大規模な斜面崩落の迫力がひしひしと伝わってくる。
 
この記念碑の碑文でこの大規模崩落に「数鹿流(すがる)崩れ」という名前がつけられたことがわかった。
 
 
引っ掛かったままの橋桁。すぐ先には東海大学の農学部阿蘇校舎への入り口がある。
(右上の写真は8/29に東海大から325号に降りてきて写真を撮った場所)
 
 
数鹿流崩之碑の右(写真中央)にかすかに見える白い建物が東海大阿蘇校舎。
あの地震では東海大の校舎にもかなりの被害が出た。
 
右は3月7日の開通を待つ新阿蘇大橋。 下に見える橋は阿蘇長陽大橋。
 
 
3月7日に開通した新阿蘇大橋を1週間後の3月14日に渡ってみた。
57号線からだと渡り終えた所の両側に駐車場があり、展望所となっていた。
この日はまだ開通して2度目の日曜日とあって、9時半過ぎにはすでに満車状態で、
何とかギリギリ入ることができたが、満車で入れなかった車も随分あったようだった。
この橋には川下側にのみ歩道があるが、この日は随分多くの人が歩いて渡っていた。
 
 
展望所は左右の駐車場が橋の下で繋がっており、階段を下りていくと橋を下から見ることができる。
川下側の駐車場には休憩所とトイレが作られていた。
 
 
2020年10月3日、国道57号線の開通と同じくして北側復旧道路も開通した。
この道路は全線片側1車線だが中央分離帯にはコンクリート壁があり、IC方式の高規格道路だ。
右上の写真でわかるように制限速度は80kmで、大津~阿蘇西間を10分程度で走れる。
 
 
二重峠トンネルの長さは3659mだが、トンネル内は照明も明るく、とても走りやすかった。
トンネルを抜けるとすぐに車帰のICがある。
 
 
11/01には反対から走ってみた。 車帰ICを目指して赤水からミルクロード方向へ…
豊肥本線大津~阿蘇間が不通だった頃には埋められていた踏切も復活していた。
 
 
車帰ICから北側復旧道路に入るとすぐ二重峠トンネルだ。
 
 
トンネル内は本当に明るい。(俵山トンネルなどもこれくらい明るければ…)
トンネルを出ると程なくミルクロードにつながる大津東のIC。
それからしばらく走ると終点の大津ICだ。
 
 
今年の4月で5周年を迎える熊本地震。
以前にUPした熊本城や阿蘇神社など、まだまだ復旧に時間がかかるものもありますが、
この国道57号線関連の阿蘇方面アクセスの復旧は阿蘇地区にとって大変喜ばしいものだと思います。
 
ここに取り上げた道路はどれも新しくなり、大変走りやすい道路になっていますので、
コロナが落ち着きましたら、(というよりコロナ対策を万全にした上でこの春休みにでも…)
ぜひお出かけになって阿蘇の復興状態をご自身でお感じになってみてください。