VOL.2

2001.11.3.作成

 
 
三池炭鉱新労働組合結成さる
(35.3.17)
写真上…選出された本部役員(左端より菊川組合長、野方副組合長、北原教宣局長)
写真下…新労結成後初めてのパレードを行う
 
 
                    声 明 書
  さきに吾々は、三鉱労組刷新同盟を結成し、三鉱労組の誤った色盲的現状分析と、階級闘争至上
 主義を排除し、組織統制の名をかりる組合員の圧迫と人権じゅうりんを徹底的に排撃することによっ
 て組合運動を組合員大衆の手中にとり戻し、三鉱労組の体質を改善することを決意したのである。
  このことは決して偶発的なものではなく、積年の実体の中から吾々組合員大衆の忍従の限度とし
 て爆発したものである。 吾々の同志が3月15日の中央委員会においてあえて総退場せざるを得な
 かったのもかかる実体の反省を得ることに絶望したからに外ならない。
  3月11日中央委員会の臨時開催の申し入れにも、鉄の統制といわれる中で必死の願いがこめられ
 ていたのである。三鉱労組には大衆行動による説得という常識で考えられない組合員のつるしあげ
 が平然と行われていたからである。現に12日には同志1名が数百人の大衆動員によりつるしあげら
 れているが吾々の同志中央委員は、組合規約にもとづき民主的手続きによったものであり、且又申
 し入れの際、つるしあげ事件などの紛争を惹起させないという約束さえもとり交わした直後のことであ
 る。
   中央委員会開催直前に吾々の提案をめぐって、宮川組合長ならびに阿具根参議が事態収拾のた
 め執行委員会を開いて十分検討するという了解を得たにもかかわらず、その約束は履行されなかっ
 たのである。なお又吾々が全組合員の無記名投票による意思の再確認を再三にわたって切望した
 にもかかわらず何ら期待することも出来なかったのである。
  かかる実態のなかで真の組合員のための組合運動を確立するために三鉱労組のなかにその体質
 を改善すべく同志団結して、刷新同盟が結成されたのであるが、三鉱労組は全組合員の十分な検討
 を求めることもしないなかで、直ちに同志の中央委員外80名余りの除名手続きを図るという報復的暴
 挙に出ると共に、宮川組合長は、わが同志の総退場を恰も膿をとり除いたかの如く放言している。 し
 かも今後も自由な批判活動に対して、除名と救援カンパ金の支給停止という強迫的行為で組合員に
 臨んでいる。
  かく吾々組合員の切実な要望も無視され、一片の反省のいろを得られることなく、しかも大衆動員に
 よる説得というつるしあげ事件続発の中では、平和的民主的に組合運動を組合員に開放することに
 全く望みも断たれるに至った。ここに吾々は遂にやむなく新労働組合を結成し、真に信義と友愛に基
 いた正しい民主的組合運動を再建することを断乎として決意するものである。
   右声明する。
           昭和35年3月17日                        三池炭鉱新労働組合
 
 
 
三池職組炭労脱退を決議
(35.3.19)
                    声 明 書
  本日我々は三池炭鉱職員労働組合第12回臨時総会の決議に基き日本炭鉱労働組合(略称 炭
 労)より脱退することを決定した。
  我々は炭労創立以来その旗の下に、常に前向きの姿勢で努力して来たが、今次企反闘争の推移
 は我々の度重なる早期解決の要請にも拘わらず惨憺たる死闘に発展し、この儘推移せんか、無謀
 な闘争は必ずや、三井鉱山に従事する労働者全体に救い難い生活の荒廃と組合組織の崩壊も避
 け難いのである。
  我々はこの様な現状認識に基きあらゆる機会に我々の一貫した主張を続けてきたが遂に炭労の
 容れる処とならず最近に至り我々の心からの批判を反労働者的と極めつける脱退勧告にもひとしい
 第199号指令を発するに至った。而も之に対し去る17日の炭労中闘委員会に於ける三社連中闘の抗
 議に対しても反省の色はないという状態である。
  この様な状態ではもはや炭労組織に止まる意義はなく袂をわかつ外はないとの判断に立たざるを
 得ない。
  我々はあく迄労働組合の本質に則って、真に労働者を愛する組織としての良識と勇気に基いて敢
 えて炭労より脱退し、我々の所信に邁進する事を誓うものである。
    右声明する。
       昭和35年3月19日
                                                三池炭鉱職員労働組合
                                                    第12回臨時総会
 
写真上…三池職組は臨時総会を開催 炭労脱退新労組支援を決議した(壇上 岡田組合長)
写真下…市民歓呼の中にパレードを行う
 
 
三池旧労組、職組並びに新労組にデモをかける
炭労脱退、新労組支援を決議
した三池職組本部に対して、
旧労組は多数のデモ隊の圧力
のもとに激しい抗議を行った。
 (35.3.22)
 ○は職組 岡田組合長
 △は炭労 野口副委員長
 □は旧労 宮川組合長
総評九州拠点総決起大会後
新労本部前でジグザグデモを
行う旧労デモ隊
 (35.4.5)
 
 
旧労デモ隊、ロックアウト中の本社内に乱入
(35.3.26)
  オルグを交えた旧労デモ隊約3000名は「…高姿勢に転ずる…」旧労の指導方針にそくしてかロック
 アウト中の本館内に乱入旗竿等や会社の看板で玄関ガラス戸を叩き破り扉を破壊して侵入しようと
 した。この為、職員、経営者に数名の重軽傷者を出した。
本社内に乱入する旧労デモ隊
旧労デモ隊は本館警備員(職
員)を洗濯デモに巻き込み押し
倒し踏む蹴るの暴力を振るった
(4月10日号 毎日グラフより)
 
 
生産再開当時(3月28日)の四山、宮浦両鉱の状態
四山鉱正門を破壊しようとする
旧労ピケ隊。
内側より門を補強してピケ隊の
乱入を防ぐ職組員。
          (3月27日夜)

四山鉱柵内に乱入した旧労ピ
ケ隊は繰込場に乱入、新労、
職組員7名に重軽傷を負わし、
又自転車、オートバイ、器物等
を破壊した。
          (35.3.28)
宮浦鉱
新労組員は入構を旧労ピケ隊
に阻止され入構出来なかった。
           (3月28日)
 
 
三川鉱流血事件起こる (35.3.28)
  3月28日午前6時40分頃生産再開に当って就労するため新労組員は暴力ピケにより入門を阻止さ
 れたので東門附近より3mの柵を乗り越えて入構行動に移った。旧労ピケ隊は予め入構阻止のため
 各門その他の要所に配置守りを固めていたが、新労員入構行動に入ると青竹や棍棒等用意した武
 器を手に暴力を振るって阻止しようとした。
  更に新労組員の入構成功したことを知って、旧労ピケ隊の200名は裏門附近の柵を越えてロックア
 ウト中の構内に乱入し、繰込み場、鉱長室などの建物を破壊して侵入し、中に居た素手、無抵抗の
 入構者(職組、新労組員及び経営者)に兇器(棍棒、鉄棒、ピッケル、五寸釘を打った角材)を振るっ
 て殴りつけ、重軽傷者176名(職員30名、新労員146名)に及ぶ惨状極まる事件であった。
  この柵内で起きた事件は乱入したピケ隊に、我々関係者はもとより報道関係者でさえ写真撮影を
 妨害されたため直接その惨状を写真で見ることは出来ない。
 
三川鉱東門をかためる旧労
ピケ隊
旧労ピケ隊の中には白ヘルメット
の福教組オルグ団もいた
柵を乗り越えて入構する新労員
柵にとりついた新労組めがけ、
棍棒、青竹などを振るって襲い
かかる旧労ピケ隊
入構を断念した新労組員に殴り
かかる旧労ピケ隊
柵を乗り越えて入構しようとする
年配の新労組員、背後より青竹
で殴られ、石や金物を投げつけ
られる
三川鉱柵内に乱入し、繰込場、
鉱長室などで暴虐の限りをつくし
た旧労ピケ隊。
先頭はピッケルを手にした地域
分会長野口某。
素手、無抵抗の新労入構者は、
兇器(棍棒、鉄棒、ピッケル、五
寸釘を打った角材)を持った旧
労ピケ隊に完膚なきまでに打ち
のめされた。(被害者より事情聴
取して描いたもの)
破壊された繰込場
鉄棒、成木等で戸、ガラス窓を
叩き破り侵入した。
鉱長室の惨状
素手、無抵抗の職員は旧労ピ
ケ隊の暴力により、鉱長室に
おいて重軽傷30名を出した。
(被害者より事情聴取して描
いたもの)
旧労ピケ隊が暴行に使用したスコップ 叩き破られた鉱長室入口の扉
負 傷 者
頭部及び手(骨折)に重傷を
負った職員 (於 鉱長室)
鉄棒で殴られ重傷を負った
職員 (於 鉱長室)
頭部裂傷の重傷を受けた
新労組員 (於 繰込場)
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  四山鉱南門事件(35.3.28)
午後1時過ぎ四山鉱南門附近において、電々
公社の電話修理に付添った職員3名新労組員
15名は、武装したピケ隊約300名に包囲され、
自動車の窓ガラスを破られ、竹棒で突いて車
外に引き出され、暴行を受け重傷2名の外、
全員打撲傷を負った。
    万田竪坑暴行事件(35.3.28)
  午前6時過ぎ、旧労員約100名は正門を破壊し
  て構内に乱入、事務所にいた係長を屋外に引
  き出し洗濯デモを反復し、他の職員5名も洗濯
  デモにかけ、或いは水をかけるなどの暴行を
  行った。被害者は午後3時過ぎ漸く解放された
  が、事務所は完全に旧労が占拠し坑木、角材
  などを持ち出した。

 
旧労ピケ隊外部団体と衝突
(35.3.29)
  3月29日午後5時過ぎ、外部団体その他百数名が自動車パレードを行った際四山鉱正門前で旧労
 ピケ隊に阻止されたことから双方乱闘となった。この乱闘で双方数十名が負傷し、旧労員久保清氏
 が刺殺された。
旧労ピケ隊との乱闘始まる。
旧労ピケ隊反撃にうつる。
自動車を取り囲み棒を振るって
襲いかかる旧労ピケ隊。
 
 

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