VOL.7

2002.1.14 作成

  
中 労 委 斡 旋 案 提 示
(35.8.10)
 斡旋案を読み上げる
 会社側
 組合側
 
            
斡 旋 案 全 文

       三 池 斡 旋 案 提 示     35.8.10 PM5:08

 指名解雇をめぐる今次三池争議の重点は指名解雇の当、不当、職場活動の是非、争議行為中の実
 力行使の限界の三点に絞られる。当委員会はこの三つの重点について労使双方の言い分を慎重に
 検討して来た。第一の問題については指名解雇が好ましいものでないことは勿論であるし、この措置
 に現れた会社の労務政策にももとより欠点がないわけではない。しかし今回の指名解雇は長期にわ
 たって難航を重ねた交渉のいきさつや、石炭業苦境の中で遂行されたという事情などから見てやむ
 をえなかったものと認められる。
 問題はこの場合の解雇該当者の中に組合のいわゆる組合活動家が含まれている点である。いわゆ
 る活動家を個人についてみれば、その解雇の当、不当について争う余地が残るかもしれない。しかし
 組合のいわゆる活動家は会社の言うところの生産阻害者であって、表裏一体となって互いに争って
 いる事項を、調整のこの段階で個別的に洗うことは出来ない。第二の問題については職場闘争のあ
 り方そのものに問題がある。昭和31年以来の三池の職場闘争の実体は、会社の労務政策の不備や
 生産点闘争に対する組合指令の具体性の欠如とあいまって、正常な組合運動の枠を逸脱した事例
 のあったことを認めざるを得ない。少なくともこの闘争形態が昭和28年の争議以来労使の間に醸成さ
 れた不信感を一層深刻なものとし、今次の類例のない大争議にまで発展せしめたことは争い難い。
 第三の問題はこの争議について最も多く社会の注目を集めたところである。事実、今次争議に現れ
 た暴力行為は、きわめて大規模な大衆の威力を以って法の執行を事実上不可能ならしめるなど、明
 らかに常識の域を脱しており社会秩序を守るという点並びに労使関係の将来の為にも真に憂慮すべ
 きものがある。争議調整を任とする労働委員会の従来の斡旋事例においては激しい闘争の中の若
 干の行き過ぎは争議解決の機会に相互にこれを水に流すという原則で考えられて来た。今回の場
 合はこの原則を越えるものであるが、両当事者がこの斡旋案によって問題の解決を決意する場合に
 は司直に関するものは別として新たに争訟を重ねることなく、出来れば従来の争訟についても双方
 互譲の精神をもって円満な解決の出来るよう格段の努力を払われたい。以上のような判断の下につ
 ぎの斡旋条項を提示する。
 
 
                       記
 
 1.解雇問題の収拾のために本日以降1ヶ月の整理期間を置く。
 2.@ 右の1ヶ月の整理期間を経過したものについては会社は昨年末の指名解雇を取り消し、解雇
     該当者はこの期間満了の期日をもって自発的に退職したものとする。
   A 右の自発的退職者に対しては会社は昨年末指名解雇者に対する会社の通告書と同趣旨に
     よって計算した退職金のほか特別生活資金として金二万円を加給する。
   B 解雇該当者のうち勇退を希望するものはこの期間中にその旨を会社に通告する。この勇退者
     については会社は昨年末の指名解雇を取り消し昨年末の希望退職に伴う退職金の特別措置
     により計算した退職金のほか金五万円を加給する。
   C 会社はこの1ヶ月の期間を再考慮期間とし、昨年末の指名解雇の措置についてもこれをさらに
     再検討して修正の余地があればこれを修正する。
 3.昨年末の指名解雇についてこれを不当労働行為として争おうとする者は争議行為等の実力行使
   に訴えることなく、裁判所又は労働委員会に提訴又は申し立てを行なうことを妨げない。
 4.右の離職者については、会社は極力就職の斡旋に努めること。会社の就職斡旋と並んで政府は
   この場合の離職者に対して就職斡旋、職業訓練、職場の造出等万全の策を講じ現実に失業者を
   出さないように努めること。
 5.@ この斡旋案の提示後直ちに労使双方の代表者をもって生産再開の為の委員会を構成しロック
     アウト、スト、ピケの解除を伴う事態の収拾策と就労の条件並びに順序についての取り決めを
     行なうこと。ロックアウト、スト、ピケの解除の取り決めがまとまるまでの間は当事者間の合意
     がない限り、昭和35年7月20日申入れ第四項但書きの精神に従って現状を維持すること。
   A 右委員会は原則として東京で開き、本社、三池鉱業所、三池港務所、炭労、三鉱労組、三鉱
     連、三社連、三池職組並びに三池新労組の代表者をもって構成するが、具体的メンバーは問
     題によって適宜考慮すること。
 6.生産再開に当たっては会社は新旧組合員に対して差別取り扱いをしないこと。
 7.以上の斡旋項目についてその解釈上の疑義を生じた場合、これらの条項の実施に当たって紛争
   を生じた場合又は第五項の委員会の取り決めがまとまらず、関係当事者から申請があって、斡旋
   者がその必要を認めた場合には中労委の解釈又は斡旋によって決める。この解釈又は斡旋には
   労使異議を唱えない。
 
  



南新開竪坑平和出入構
(35.8.13)
 休戦後、盆休前の大量交替を南新開竪坑において平穏裡に終った。出構者500名
人員輸送に用いた第三天社丸
南新開竪坑岸壁より乗船する
出構者


資 材 搬 入
(35.8.25)
 休戦後、初めて貨物船2隻機帆船2隻で南新開竪坑より資材の搬入を行なう
左…坑木荷揚作業
 
右…新労、職組員共に協力し
て資材を運ぶ
 
 
新労本所支部過半数突破記念パレードを行なう
(35.10.3)
 待望の過半数を突破した新労本所支部では、ニュースカーを連ねて記念パレードを行なった。
 午前10時本所支部前を出発したパレードは、途中勤務し、篭城している新労組員、職員、又その家
 族たち、一般市民のさかんな歓迎を受け、所要時間5時間という文字通りの大行進であった。
 出発準備なる
臼井社宅において港務所新労
地域分会より花束を受ける
病院の看護婦さん達も歓迎に
飛び出して来る。


新労四山支部過半数突破記念パレード
(35.10.9)
 新労本所支部に続き、四山支部も過半数に達し、感激のパレードを行なう。
 四山県境を出発
大牟田市中を行進する
市民より心からの祝福を受ける
三川鉱柵内篭城者と交歓
 
 
会社再建諸協定に関する調印なる
新労組との調印終る
     (35.10.28)
旧労組との再建諸協定調印
終る     (35.10.29)
  
  
三池山元で労使平和宣言を行なう
(35.11.1)
会社はロックアウト解除、旧労
組はストを中止するとの通知書
を互いに取り交わす


新労正門より283日ぶり感激の入構
(35.11.2)
宮浦新労職組入構
四山新労職組入構
三川新労職組入構


旧労組員の着到始まる
(35.11.2)
三川鉱着到
宮浦鉱着到
四山鉱着到


三池争議終結記念大集会
(35.11.3)
三池争議終結記念大集会で
挨拶を行なう新労菊川組合長
市民の歓呼の中に大行進を
行なう


  悪夢の一年は過ぎた
  今後の我々の幸福を象徴するかのように
  二百数十羽の鳩は青空高く舞い上がっていった
  明日からの歩く道は未だ平坦ではないかもしれない
  しかしながらその道の向こうには希望がある
  その希望を求めて我々は固く手を握って進もう
 
                     三池炭鉱新労働組合万歳
                     三池炭鉱職員労働組合万歳
 
                   昭和35年11月
 
 
 
 
左のメニューフレームより移動してください