風 刺 前 線
Vol.6

2003.12.15.作成


  9月1日
 ローマオリンピックでは200m平泳ぎに大崎は第2位、
 400m自由形で期待の山中はオーストラリアのローズ
 に惜しくも破れ第2位となった。

  9月2日
 物価は高騰を続ける気配。
 花火を上げてくれなければまだマシさ。
 

  9月3日
 炭労大会がいよいよ再開された。
 九州勢は6割までがあっせん案拒否。やはり九州男
 児は強いゾー。

  9月4日
 日本全土今年は大豊作。
 スト権もなく、黙々と大地と闘っている農民に福の神
 が笑み給うたのか。

  9月5日
 三池労組は炭労大会の再開に伴い受諾意見を封ず
 るためオートバイの機動隊など逆オルグ団を東京へ
 派遣した。
 

  9月6日
 ローマオリンピックで水上種目がほとんど終了したが
 「水上日本」を誇った過去に比べ成績は振るわず、
 金メダルは一個もなしのありさま。

  9月7日
 米国にベガトンと称する爆弾が計画されている。この
 威力は水爆の1000倍、数発で日本は全滅するという。
 この日炭労大会では満場一致、あっせん案による事
 態収拾を決定した。

  9月8日
 事態収拾を決定した炭労は三池労組の職場闘争を批
 判し、実力行使という大衆闘争に水をかけた形となっ
 た。
 

  9月9日
 総評、大田議長の出身労組の宇部窒素は第二組合
 が全労を背景に力を増してきた。
 一方三池をめぐる組織の攻防は総評対全労の闘いと
 なって来た。

  9月10日
 三池争議の熾烈さはその労使双方の莫大な費用と人
 員をみればわかる。労働争議というものがいかに悲惨
 なものであるかを知らねばならない。
 

  9月11日
 あっせん案による事態収拾で荒尾署管内の各住宅街
 は新労のにわかに強い姿勢と、これに対抗しようとす
 る第一労組の憎しみ、人間不信が渦を巻いている。

  9月12日
 総評臨時大会も炭労の決定に従って事態収拾を支持
 した。いよいよ幕切れ近し、まあこのあたりが一番劇的
 な「黒鳥の死」 劇の最高場面か…。

  9月13日
 ローマ五輪は日本選手の意外な不振の中に幕を閉じ
 た。金メダル4個、銀メダル2個、銅メダル3個。
 
 

  9月14日
 いま国体を前に県議会では料亭業者の旅館兼業問
 題が討議されている。
 異質とはいえ人間には変わりはない。新旧労組員も
 仲良くなる日もあるだろう。

  9月15日
 三池労組中央委は炭労、総評の決定通り事態収拾
 へふみ切ったが、山もとはそれぞれの分会を開いて
 「条件闘争」への団結を固くしている。
 

  9月16日
 会社側は一日も早く生産再開に持っていきたいところ
 であろうが、その見通しはこの頃の梅雨を思わせる雨
 続きの空と同じで、なかなか完全就労までは多難の道
 が続いている。

  9月17日
 池田首相の3年間9%成長論に対して社会党は10%成
 長論を打ち出した。10%の成長が実現すると4年後は
 「国民一人に牛乳三合」というわけ。国民にとっては
 まことに有難い政治構想である。 

 9月18日
 三池三川鉱選炭機下の貯炭は最高70度に達してい
 ると保安監督官に報告した。 最高温度を示している
 人間の多い所だ、石炭も熱を出しますよ。
 

  9月19日
 29年に改正されてやめになった連呼行為が選挙法改
 正衆議院特別委でまたぞろ復活させようとしている。
 まあ、あまり品位のあがることではないからやめた方
 がいいと思うネ…。

  9月20日
 三池争議の留め男石田労相は1100余人の指名解雇
 者について就職や住宅の保障をする旨、総評岩井事
 務局長らに更に約束した。
 骨が折れますナ。でもしっかり頼みます。

  9月21日
 20日午前0時ごろから2時ごろまでの間に福岡県筑豊
 炭田の中心地が水没して67人が水にのまれた。この
 水は川底に穴があいて坑道に流れ込んだもので67
 人は絶望とみられている。

  9月22日
 旧労員が新労に加入した者をつるし上げたことから、
 18日午後5時新労約400人、旧労は約1000人を動員、
 万田公園で対立。警備部隊の警告で話し合いはつい
 たが、解散途中新労からビール瓶が飛び、紛争し旧
 労1名、新労11名、一般人1名が受傷した。

  9月23日
 人間7歳までの成長期間に神を教えておけばそう悪く
 はならないという。 神を教えず成人したものは神(良
 心)を持たない一個の品物に過ぎない。これは人間洗
 濯機に入れて汚れを落とさなければ仕方があるまい。

  9月24日
 “同志を裏切りオレたちは黒いベレーに黒ヤッケにや
 けた肩で風を切りゃ拍手をおくる暴力団”これは脱落
 ブルースだ。人間愛も、同僚愛も影をひそめてあるも
 のはただ人間不信。

  9月25日
 24日夜生産再開委員会が開催された。 会社側も炭
 労側も秋の花を見事咲かせるため、じっくり話し合いを
 してもらいたいもの。
 

  9月26日
 安保闘争と三池争議は警察史上前例のない大規模
 な警備事件だったと警察庁が警備白書の作成を急い
 でいる。三池の警備費は3億4000万円に近い。法無
 視と暴力主義の傾向がその特徴だという。

  9月27日
 去る19日、和田警視は不帰の客となった。現地警備
 部隊の指揮官として敢然病をおし職務に寝食を忘れ
 て尽くした功績、その責任感は我々を奮い立たせる。
 和田さんの霊よ安らかに眠れ。

  9月28日
 もうみかんが店先に出回ってきた。すっぱい青い未熟
 なみかん。頬張ったら甘く、少しスッパイみかんの味、
 相互信頼というおいしいみかんが早く欲しいネ。
 

  9月29日
 離職者1163人の離職期限は今日である。三池労組
 は28日中央委を開き被解雇者の就職、住宅などを激
 しく討論。再度中労委あっせんをけって闘えという強
 硬意見も出た。

  9月30日
 もうお別れのページ。しかしまだ争議は解決していな
 い。労使が本当に心から手を取りあって、あの立派な
 黒ダイヤを私たちの前に掘り出してくれる日の早から
 んことを祈る。

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