屋外展示コーナー

第7回収蔵品展より


 平成13年11月に閉山した長崎県の「池
 島炭鉱」から、大牟田市に寄贈された世
 界最速の坑内人車「女神号慈海」が、ボ
 ランティアの方たちの手による再生作業
 も無事に終わり、平成15年3月21日から
 「第7回収蔵品展」 の目玉として石炭館
 隣の(元 ネイブルランド敷地)屋外展示
 コーナーで一般公開されている。
 この電車は、採炭現場の奥部化により、
 切羽への移動時間の短縮のために開発
 されたもので、1996年から閉山まで池島
 鉱の炭鉱マンの足として活躍した。
 編成は 機関車2両、人車4両 の6両で、
 定員96名、最高速度50q/hは坑内を走
 る人車としては世界最速だった。
 なんと珍しい、スライドドアつきの人車。
 この長さで1両。この人車はひとつのドア
 ごとのコンパートメントになっていて、ひと
 つのコンパートメントは向かい合わせの4
 人掛け。 このコンパートメントが6室ある
 ので、この1両の定員は24人となる。
 四山鉱で 26t 重連電車が牽いていた人
 車にはトラックブレーキが付いていたが、
 この人車には私の見たところ、制動装置
 は付いていなかった。 機関車のみで制
 動をかけていたのならば、連結器の緩衝
 装置でうまく衝撃を吸収していたのだろう
 か…。
 三池炭鉱で私が整備していた電車は す
 べて1軸1モーターだったが、この電車は
 赤丸の位置にある1台のモーターから前
 後にドライブシャフトが伸びていて前後輪
 を駆動しているようだ。
 集電装置は…と屋根上を探してみたがそ
 んなものは見当たらず、良く観察してみる
 と、どうやらこれはバッテリーで動く 蓄電
 池車 (BL) のようだ。水色丸の部分が、
 三池で使っていた BLの電池部分と似て
 いる事から、この部分がバッテリーと思わ
 れる。
 私が見に行った時点では詳しい説明文な
 どは無かったので、どなたかこの電車につ
 いて詳しくご存知の方、メールでも頂けれ
 ばうれしいです。
 この運転席にも驚いた。 私が見なれたコ
 ントローラー類は無く、シングルレバー式
 でもない。 右手の位置にジョイスティック
 みたいなものがあって、 あとは前面パネ
 ルにある沢山の選択スィッチ?のみ。ブレ
 −キレバーみたいなのも見当たらない。
 これでどうやって運転するんだろう?
 これも詳しくご存知の方、おられましたら
 ぜひメールください。 なんとも気になって
 夜も寝られない(笑)。
 人車のスライドドアを開けたところ。
 向かい合わせに4人が割とゆったり座れる
 広さだった。
 このコンパートメントの中には緑十字マー
 クのついた救急車?もあった。
 おそらく担架が載せられるようになってい
 るものと思われる。
 これが人車の室内。
 天井には室内灯があり、天井も割と高い。
 室内灯と室内灯の間には非常ボタンも設
 けてある。
 こちらは三池炭鉱で使っていた人車。
 これは三川鉱で使っていたもので、四山
 や有明もほとんど変わらない。
 ただ四山鉱だけは26t電車で人車を牽い
 ていたため、前後の車輪の間にトラックブ
 レーキを搭載していた。
 (トラックブレーキについては「坑内電車」
 をご覧ください。)
 「坑内電車」のところで取り上げた四山鉱
 で使っていた26t重連電車。
 こうしてA‐B‐Aの正式編成で見るのは久
 しぶり!
 後日整備の予定があるとのことだったが、
 出来れば木材なしでレールの上に載せて
 やりたい。
 上の電車を反対側(A2車側)から見たとこ
 ろ。
 後ろの建物は閉鎖されたネイブルランドの
 ゲート付近の建物。
 今回の屋外展示はネイブルランド跡地を
 使っている。


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